実はとってもシンプル!?水槽の濾過フィルターの原理と仕組み(生物濾過)

目に見えない汚れをキレイにする、生物濾過の仕組み

どうせ魚を飼うのなら、水槽をずっとキレイな状態に保って優雅に鑑賞したいと思う人も多いでしょうが、実際はそうもいきません。

魚も生き物なので色々な汚れが出るからです。

この『色々な汚れ』には、目に見える大きめのゴミと、目に見えないほど小さく無色透明な汚れの2種類があります。

少し難しい言葉を使うと、

  • 目に見える汚れを取り除くのは物理濾過
  • 目に見えない汚れを取り除くのは生物濾過

と言います。

今日は、目に見えない汚れとその除去方法の話をしましょう。

これを知っているかどうかで、魚の寿命とお手入れの頻度・手間にとても大きな差が出ますよ!

水の汚れは水槽で飼う生き物の宿命

最初はキレイな水槽でも、魚を飼っていると汚れが発生します。

少し具体的に言うと、エサの食べ残しや魚自身の糞尿によるものです。

自然界ならば、川や海の水量は膨大で、さらに流れがありるため、汚れがたまることはまずありません。

ところが、水槽の中の限られた水量で飼育しているとそうはいきません。

放っておくと、水のアンモニア濃度が上昇します。

(理科の実験で使う、あの臭~いやつです)

アンモニアは魚にとっても猛毒ですので、文字通り致命傷になります。

実際、金魚すくいの金魚が1週間くらいで死んでしまう原因の多くはアンモニア濃度の上昇によるものです。

さらに、これらは無色なので濃度が上がったかどうか一目でわかりません。

(検査キットを使えば調べることができます。)

人間が自分の都合で自然界から取り出して水槽で飼っている以上、

水槽の中の環境は人間が責任を持って管理しなくてはいけませんね。

アンモニア濃度を下げる方法は2つあります。

  1. こまめにこまめに水替えをする。
  2. フィルターを使う。

頻繁に水を替えることは人間にとっても大変ですが、魚にとっても負担になります。

そこで登場する便利なアイテムが、フィルターです!

最初にこれを設置すれば、あとはほとんど自動的にアンモニア濃度を0にしてくれます。

有毒アンモニアを、無害な硝酸塩に変える!

フィルターには色々な形状や種類がありますが、基本的な仕組みはどれも一緒です。

アンモニア濃度の高い水を取り込んで、フィルター内で変換し、無毒な水にして水槽に戻しているだけです。

この際、科学的には

  1. アンモニア(有害)
  2. 亜硝酸(有害)
  3. 硫酸塩(無害)

の順に物質が変化していきます。

硝酸塩の濃度もあまり上がりすぎると魚には良くないのですが、

アンモニアのように少量で猛毒になることはありません。

フィルターをつけることによって、魚の寿命は何倍にもなり、飼い主の手間も大きく削減されます!

たまに、「フィルターなんて大がかりなもの使うのは面倒くさいし、私はもっと手軽に飼うよ」と言う人がいますが、

私にしてみれば、「フィルターなしで飼う方がよっぽど面倒くさいし、大かがりな飼育」です。

フィルターを付けるだけでペットは長生きするし水は臭くならないし水替えの手間は激減します!

本格的な熱帯魚はもちろん、ザリガニや金魚の場合も、フィルターを使うことを私は強くオススメします。

濾過フィルターの中身は??

そんな魔法のようなアイテム、フィルターの中には一体何が入っているのか気になりませんか?

「最先端の科学によって作られた、すっごく高いハイテクな物質が入っている」

……ということはありません!(笑)

仕組みがわかれば、意外と身近なもので安く代用することも出来ます。

これについては、次回もう少し詳しくお話しましょう。